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脂肪肝


急増する非アルコール性の脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓(肝細胞)の中に脂肪(主に中性脂肪)が過度に蓄積(全肝細胞の30%以上に脂肪滴を認める)した状態で、血液検査では肝臓機能障害(ASTやALTの上昇)を伴うことが多く、腹部超音波検査で診断することができます(肝臓が脂肪で白く映る)。
脂肪肝の原因は、大きくアルコール性と非アルコール性に分類されますが、最近は、非アルコール性の、肥満や生活習慣病に伴った脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患:NAFLD)が急増しています(有病率:男性健診受診者の41%、女性健診受診者の18%、J Gastroenterol (2012)47;586-595)。

(1)意外に怖い脂肪肝
昔は、NAFLDは肝硬変に進展することのない良性の状態であると考えられていました。
ところが近年、NAFLDの約10%の人は、まるでお酒を飲み続けているかのように肝臓障害がしだいに悪化(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH))し、肝硬変や肝臓がんに進展することがわかってきました。「たかが脂肪肝」ではなく「されど脂肪肝」なのです。
(2)有酸素運動で脂肪肝は改善する(体重が減らなくても)
肥満を伴ったNAFLDにおける有酸素運動の有用性に関するデータを紹介します。1週間に3回の有酸素運動(約30分間のエルゴメーター)を4週間続けた場合、たとえ体重が減少しなくても、肝臓内の中性脂肪濃度が有意に減少する(脂肪肝が軽減する)ことが確かめられています(図)。
 「運動には、抜群の肝臓のダイエット(脂肪減少)効果がある」ことを認識して下さい。
発生順序